相続登記を依頼する司法書士の選び方・探し方
~信頼できる司法書士を見分けるポイントについて、司法書士が解説します!~

「できることなら、料金が安くて、しっかりとした仕事をしてくれる司法書士に相続登記を依頼したい。どうやって良い司法書士を選んだり、探したりすればいいの?」と悩んでおられる方も多いと思います。

この記事では、法律に詳しくない一般の方が相続登記を依頼する司法書士をどのように選び、探せばよいかについて、丁寧に解説しております。

1 司法書士に依頼できる相続手続きの種類

1.1 司法書士とは?

司法書士は、不動産や会社の登記手続きをはじめ、相続手続き、供託、訴訟等の法律事務を行う専門家(国家資格者)です。

司法書士は、皆様の日常生活に近い法律事務を行うことが多いため、「まちの法律家」と呼ばれることが多く、そのようにイメージしていただけると分かりやすいと思います。

1.2 相続登記とは?

相続登記とは、「相続による不動産の名義変更」のことであり、司法書士の中心業務である「不動産登記」の一種です。

土地や建物の所有者等の情報が記録された「不動産登記簿」が法務局という役所で管理されております。
その不動産登記簿に「所有者」もしくは「共有者」として記録されている者(登記名義人)が死亡し、相続が発生した後に、不動産の名義を相続人の名義に変更することを「相続登記」と呼びます

図 相続登記をした後の土地の登記簿の一例

1.3 司法書士に依頼できる相続手続き

身近な親族が亡くなった後に相続人がしなければならない手続きは、たくさんあります。

死亡届の提出、火葬の手続き、年金受給停止の手続き等、親族が死亡した後、すぐに行わなければならない手続きが完了し、ひと段落した後で行うことになる以下のような相続手続きを司法書士に依頼することができます

(1)戸籍による相続人の調査

相続登記や預貯金・株式等の有価証券の相続手続きをするための事前準備として、亡くなった親族の相続人を調査する必要があります。

亡くなった親族の出生から死亡までの全ての戸籍謄本を役所で収集し、それらを全て読んで法律上の相続人が誰であるかを確認します。

司法書士に相続登記や預貯金・有価証券の相続手続きを依頼する場合、亡くなった親族の戸籍謄本の収集と相続人の調査も併せて依頼することができます

(2)遺産分割協議書の作成

前述の「戸籍による相続人の調査」によって確認した相続人全員で話し合って、亡くなった親族の遺産を、「誰が」、「どれだけ」受け取るかを決定すること遺産分割協議と言います。

この遺産分割協議により、相続人全員が合意した結果をまとめて記載する書類が「遺産分割協議書」です。
「遺産分割協議書」は、相続登記や預貯金の相続手続き等をする際の必要書類となります。

この遺産分割協議書の作成を司法書士に依頼することができます

(3)相続登記の申請
2024年4月1日に法律が改正(施行)され、期限内に相続登記を行うことが法律上の義務になりました

相続登記を行うには、登記申請書を作成し、登録免許税に相当する収入印紙を貼り付けて、他の必要書類(戸籍謄本、遺産分割協議書、印鑑証明書など)と併せて法務局(不動産登記簿を管理している役所)に提出する必要があります。

司法書士は、相続人の代理人として、法務局に対する相続登記の申請を代行することができます

(4)相続放棄(相続放棄申述書の作成)
もし亡くなった親族に借金等の負債があり、負債の額が財産の額を超えている場合など、相続人が亡くなった親族の遺産を相続しない方がよい場合もあります。

この場合、相続人が親族の死亡等の事実を知った時から3か月以内に相続放棄の申述書を作成し、戸籍謄本等の必要書類と併せて家庭裁判所に提出することで、相続放棄をすることができます。

この相続放棄申述書の作成と必要書類の収集を司法書士に依頼することができます

(5)預貯金の相続手続き(預貯金の解約・払い戻し)
亡くなった親族の名義となっている銀行や金融機関の預貯金の相続手続きを司法書士に依頼することができます

相続登記の必要書類の1つである「亡くなった親族の出生から死亡までの戸籍謄本」や「遺産分割協議書」は、預貯金の相続手続きにおいても利用できます。

不動産の相続登記と併せて、預貯金の相続手続きも司法書士に依頼すれば、相続人の手間を減らすことができます

(6)株式等の有価証券の相続手続き
亡くなった親族の遺産の中に、株式や有価証券(投資信託、国債など)が含まれている場合、これらの相続手続きを司法書士に依頼することができます

相続登記の必要書類の1つである「亡くなった親族の出生から死亡までの戸籍謄本」や「遺産分割協議書」は、株式や有価証券(投資信託、国債など)の相続手続きにおいても利用できます。

1.4 司法書士以外の士業に依頼するべき相続手続き

司法書士は、相続人の依頼を受けて、様々な相続手続きを代行することができます。

しかし、以下の2つの相続手続きは、司法書士に依頼することができません

以下の2つの相続手続きを専門家に依頼する場合、(1)の手続きは税理士に依頼し、(2)の手続きは弁護士に依頼することになります

(1)相続税の申告
亡くなった親族が相続税の基礎控除の額を超える遺産(現金、預貯金、不動産、動産、株式、有価証券等の全財産)を残された場合、納税義務者である相続人は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に税務署に対して「相続税の申告」をしなければなりません。

この相続税の申告は、税理士(税理士登録をしている公認会計士を含む)の独占業務となっています。司法書士は代行することができません。

(2)相続人間の遺産分割の交渉(遺産分割で揉めた場合)
相続人全員で遺産の分け方(遺産を誰が、どれだけ受け取るか)について話し合った結果、相続人と揉めてしまい、相続人全員の合意ができないという場合があります

この場合、弁護士に遺産分割の交渉を依頼することができます。

他の相続人に対する遺産分割の交渉は、弁護士の独占業務となっています。司法書士は代行することができません。

表 各士業が行える業務の比較

業務の
種類
司法書士税理士弁護士
相続登記の申請
(登記が専門分野なので、得意)
×
(できない)

(できる)
相続税の申告×
(できない)

(できる)
×
(できない)
遺産分割の交渉×
(できない)
×
(できない)

(できる)

2 相談前に準備しておくべきこと

司法書士に相続登記の相談をする前の事前準備として、以下の4つの情報を確認しておきましょう。そうすることで相談がスムーズに進みます。
相談者様のご無理のない範囲で、事前に準備しておかれることをお勧めしています。

(1)亡くなった親族の出生・死亡等に関する情報
司法書士が亡くなった親族の戸籍謄本を収集する際に、亡くなった親族の生年月日、死亡年月日、本籍、筆頭者、死亡時の住所といった情報が必要になります。

(2)対象となる不動産
亡くなった親族が所有者もしくは共有者として記録されている不動産(土地、建物、マンション)を事前に確認しておいてください。

確認する方法としては、毎年役所から固定資産税の納税通知書と一緒に郵送される「課税明細書」を確認するか、役所で固定資産税の「名寄帳」を取得することで確認できます。

もし、対象となる不動産が分からない場合でも、司法書士が調査することができます。お気軽にご相談ください。

(3)遺言書の有無
亡くなった親族が遺言書を残された場合、その遺言書の内容が相続登記に影響することがあります

もし、相続人が遺言書を発見された場合は、司法書士への相談時に遺言書の原本またはコピーを見せると、相談がスムーズに進みやすいです。

(4)誰の名義にするか
依頼する相続登記によって、対象となる土地や建物の名義を誰の名義にするか、相続人全員で話し合って事前に決めていただくと相続登記の手続きを進めやすくなります。

ただし、「相続税の申告」が必要な場合など、不動産を誰の名義にするか(誰が相続するか)によって、納税額が変わることがあります

誰の名義にするか迷っている場合には、決める前に司法書士に相談することもできます。(その場合は、司法書士から税理士への相談も含めてアドバイスをさせていただきます。)

3 司法書士の選び方

3.1 司法書士を選ぶ際の重要な基準(5つ)

以下の(1)~(5)の5つの基準が、相続登記を依頼する司法書士を選ぶ際に特に重要な基準であると考えています。

さらに利便性の高い司法書士を選びたいという方は、「3.2 その他の利便性に関する基準(3つ)」も併せてお読みください。

(1)専門分野

司法書士は、相続登記などの不動産登記以外にも、商業登記(会社の登記)、裁判所に提出する書類の作成、訴訟業務など、非常に幅広い分野の業務を行います。

したがって、それぞれの司法書士によって、専門分野(得意分野)が大きく異なります

相続登記を依頼する司法書士を選ぶ際には、「相続登記」や「相続に関連する手続き」を得意分野とする司法書士に相談、依頼することをお勧めしています。

実際に当事務所では、収集する戸籍謄本の量が膨大であったため戸籍調査だけで約3か月かかった案件や、不動産登記簿上の所有者の住所と戸籍謄本の本籍地が一致しておらず住所の繋がりがつかない案件、最後に登記されたのが明治時代の所有者(依頼者様の祖父)である相続登記の案件などを解決させていただきました。

相続を専門分野にしているからこそ解決できた案件がいくつもあります。

(2)事務所の立地

司法書士に相続登記を依頼する場合、まず最初に司法書士事務所を訪問し、面談(相談)をすることが多いと思います。

その後も書類の受け渡しや署名捺印などの際に事務所を訪問することがあります。(ただし、書類の受け渡しを郵送で行っている事務所の場合は、初回の面談だけで済むこともあります。)

専門性、人柄、料金など、その他の条件が良い事務所であっても、自宅から遠くて訪問しづらい場所にある事務所に依頼することは難しいと思います。

(3)司法書士の人柄(コミュニケーション力)

司法書士を選ぶ際の判断基準として、その司法書士が相談者(依頼者)の話を丁寧に聴いて、適切なアドバイスをしてくれるかが重要な基準になると思います。

依頼者様の話を最後まで聴かない司法書士や、コミュニケーションが取りにくい司法書士に依頼してしまうと、他の相続人との意思疎通がうまくいかなかったり、依頼者様の意向の通りに事務処理がされなかったりして、ストレスが溜まってしまうかもしれません。

法律や登記の技術力だけではなく、コミュニケーション力を重視して司法書士を選ぶことが重要です。

当事務所でも、「話しやすかった」、「説明が丁寧で分かりやすかった」といったご感想をいただくことがあります。

当事務所ホームページ「お客様の声」より引用(お客様 M.H様の声)

(4)説明の分かりやすさ

料金(司法書士の報酬、登録免許税等の実費)、手続きの流れ、スケジュール、法律上の問題点やリスクについて、司法書士が分かりやすく説明しているでしょうか?

司法書士は、法律に詳しくない一般の方でも理解しやすいように、なるべく簡単な言葉で説明をしなければなりません。

説明が分かりにくい場合、依頼者との意思疎通ができておらず、「思っていたより料金が高くなった」、「依頼者が考えていたスケジュールを超過してしまった」などの問題が発生してしまうかもしれません。

相続登記のように、一般の方には分かりづらい法律の手続きに関する説明であるからこそ、分かりやすさ・透明性が重要な基準になります

(5)料金

料金が相場と比べて極端に高くないでしょうか?また、料金体系は分かりやすいでしょうか?

ホームページに料金表を公開している司法書士事務所も多くありますので、事前に確認されることをお勧めします。

ただ、個別の案件ごとの事情によって料金が変わることもあります。契約前に見積書を作成してもらい、費用の概算額を事前に確認することをお勧めしています。

依頼者様としては、料金は安いに越したことはないと思います。

しかし、相場と比べて極端に安い料金設定にしている司法書士事務所の場合、事務処理をすべて事務員に任せ切りにしていないか、必要な調査や作業を省略した手抜き業務となっていないか等、業務の質が低下していないか注意が必要だと思います。

そういった意味では、相場に合わせた料金設定(高すぎず、安すぎない料金設定)にしている事務所の方が安心できるように思います

3.2【コラム】相続登記の料金の相場

相続登記の料金は、大きく分けて、「司法書士の報酬」と「実費」に分けることができます。

以下、料金相場について、簡単に説明します。

(1)司法書士の報酬

司法書士の報酬とは、登記簿や戸籍謄本の調査、書類作成、相続登記の申請等の手続きを代行した司法書士に支払う報酬のことです。

収集する戸籍謄本の通数や、亡くなった人の人数、相続人の人数、対象となる不動産の個数等によって司法書士の報酬の額は増減します。

また、司法書士の報酬額は、事務所ごとに自由に決めることができますので、同じ案件でも事務所によって報酬額が変わります

(2)実費

司法書士の報酬とは別に、登記事項証明書や戸籍謄本・住民票等の発行手数料、書類の郵送代、交通費、登録免許税(相続登記の申請時に納める税金)などの実費が必要となります。

これらの実費は、司法書士が役所や郵便局等に対して支払う必要経費ですので、どの事務所に依頼しても大きな金額差はないと思います。

(3)料金の相場

一般的な家庭の相続登記の費用の相場は、以下のとおりです。

ただし、収集する戸籍謄本の通数や、亡くなった人の人数、相続人の人数、対象不動産の個数、対象不動産の固定資産税評価額などによって金額が変動します

この相場の金額を超えることもありますので、料金の詳細は見積書によりご確認ください。

表 相続登記の費用の種類と相場

費用の種類金額の目安
登録免許税対象となる土地・建物の固定資産税評価額×0.4%
戸籍謄本、住民票等の発行手数料数千円~数万円程度
郵送代数千円~数万円程度
司法書士報酬5万円~15万円程度
(案件が複雑な場合には15万円を超えることもあります。)

3.3 その他の利便性に関する基準(3つ)

(1)ワンストップ性

相続登記だけでなく、「相続税の申告」や、他の相続人との間の「遺産分割の交渉」も専門家に依頼したいと考えている依頼者様もおられると思います。

前述の通り、司法書士は「相続税の申告」や「遺産分割の交渉」の依頼を受けることができません。そのため、もし依頼者様がこれらの手続きも専門家に依頼したいとお考えの場合、提携している税理士や弁護士を紹介することになります。

ただし、税理士や弁護士の紹介を行っていない司法書士もいると思いますので注意が必要です。

もし、相続登記と併せて、「相続税の申告」や「遺産分割の交渉」もまとめて専門家に依頼したいとお考えの方は、提携している税理士や弁護士を紹介してくれる司法書士(他の相続手続きもワンストップで対応してくれる司法書士)に依頼すると便利だと思います。

(2)オンラインの対応性

相談時のZOOM面談や、メールによる見積書の送付LINEでの事務連絡については、対応できる司法書士と対応できない司法書士がいると思います。

こういったオンラインツールに対応できる司法書士を選ぶことで、お客様の利便性が向上し、交通費や郵送代等の節約にもなります。このようなオンライン対応性も、司法書士の選考基準の一つとして考えてよいと思います。

(3)土日祝日の対応の可否

平日を事務所の営業日とし、土日祝日を休業日とする司法書士事務所が多いと思います。

一方で、土日祝日の相談にも対応している司法書士事務所もあります。平日忙しくて、休日にしか動けないというお客様は、土日祝日の対応が可能かが選考基準の一つとなります。

表 司法書士を選ぶ基準と見分ける方法

基準の種類司法書士を
選ぶ基準
確認事項見分ける方法重要度
重要な基準⑴専門分野「相続登記」や「相続に関連する手続き」を得意とする司法書士か?①司法書士事務所のホームページをチェックし、相続登記を取り扱っていることや、どの業務を専門分野としているかを確認する。
②面談時に相続登記の受任実績(年間件数等)について質問してみる
★★★★
⑵事務所の立地自宅から事務所を訪問する際に便利な場所にあるか?①司法書士事務所のホームページに掲載されている事務所所在地や地図を確認する。
②司法書士会のホームページ上に掲載されている司法書士事務所のリストで事務所所在地を確認する。
★★★★
⑶司法書士の人柄①相談者の話をしっかりと聴いて、適切にアドバイスしてくれるか?
②相談者と性格的な相性がいいか?(例:せっかち、のんびり等)
①面談の予約を取る際の電話応対が心地よいと感じられるかで見分ける。
②実際に面談してみて、司法書士の態度、表情や会話の内容から、信頼できるか判断する。
★★★★★
⑷説明の分かりやすさ料金、手続きの流れ、スケジュール、法律上の問題点等について、相談者にとって分かりやすい説明がされているか?実際に面談してみて、料金、手続きの流れ、スケジュール、問題点等の説明を理解できたと感じられるかで判断する。★★★★★
⑸料金相場と比べて、高額な料金設定になっていないか?①インターネット検索等により、相続登記の料金の相場を調べる。
②契約前に見積書を作成してもらい、料金の相場と比較検討する。
★★★★
その他の利便性に関する基準⑴ワンストップ性「相続税の申告」や「遺産分割の交渉」等を依頼できる税理士・弁護士の紹介を受けられるか?「相続税の申告」や「遺産分割の交渉」が必要なお客様は、税理士や弁護士を紹介してもらえるか、司法書士に確認して判断する。★★★
⑵オンラインの対応性ZOOM面談、メールでの資料送付、LINEによる事務連絡等に対応しているか?面談時に司法書士に確認する。★★★
⑶土日祝日の対応の可否相談や書類の受け渡し等を土日祝日にすることができるか?①事務所のホームページの営業日等を確認する。
②面談の予約を取る際の電話で、土日祝日の対応が可能か確認する。
③面談時に司法書士に確認する。
★★

4 司法書士の探し方

ここまでの記事をお読みいただき、司法書士の選び方について知っていただけたと思います。

次は、実際に相続登記を依頼する司法書士を探す方法について説明します。

以下の(1)~(6)のような探し方があります。

(1)インターネット検索

例えば、「京都 相続登記 司法書士」や「伏見区 相続登記 司法書士」など、「地域名+相続登記+司法書士」というキーワードで検索し、上位に表示される司法書士事務所のホームページから探すという方法です。

司法書士事務所のホームページには、専門分野、取扱業務、事務所の場所、料金表、司法書士のプロフィール、事務所の写真など、司法書士を選ぶ際に必要な情報が多く掲載されています。

実際に相談(面談)する前に多くの情報を得ることができ、他の事務所との比較もしやすいというメリットがあります。

気に入った事務所が見つかりましたら、その事務所に電話して相談(面談)の予約を取ってみましょう。実際に司法書士と面談し、見積書の金額を確認し、信頼できそうだと感じたら依頼していただければよいと思います。

(2)紹介サイト

インターネットで、「地域名+相続登記+司法書士」などと検索すると、司法書士の紹介サイト(ポータルサイト)が表示されることがあります。

ポータルサイトは、多数の司法書士事務所が掲載されているため、ご自身が住んでいる地域にどんな事務所があるのかを知るのに役立ちます。

ただし、ポータルサイトは、司法書士事務所がサイト運営会社に広告料(掲載料)を支払って掲載していることも多く、掲載されている事務所は、地域のごく一部の司法書士事務所に限られます。

(3)地域の司法書士会への問い合わせ

例えば、「京都司法書士会」など、お住まいの地域の司法書士会に電話し、近所の司法書士を紹介してもらう方法があります。

ただし、司法書士会が個別の司法書士の紹介を行わないケースもあり、地域の司法書士会のホームページに掲載されている事務所リストからご自身で選んでくださいと言われることがあります。

また、地域の司法書士会が行っている無料相談を案内されることもあります。

(4)相続セミナーへの参加

地域で開催される「相続セミナー」に参加する方法があります。

相続セミナーでは、司法書士や税理士などの専門家が無料相談を行っているものがあります

(司法書士が参加しない相続セミナーもあります。司法書士の相談を受けられるか、事前に確認が必要です。)

相続セミナーが開催される場合、開催前に地域にチラシなどを配布して周知されることが多いです。

気軽に参加できますが、相続セミナーが開催されない地域があったり、不定期で開催されることにより「今すぐ相談したい」という方は利用しづらいというデメリットもあります。

(5)知人の紹介

信頼できる家族や友人・知人に司法書士を紹介してもらうという方法です。

以前に司法書士に依頼したことがある家族や友人・知人がいる場合、その司法書士の評判を聞くことができるのがメリットだと思います。

一方で、その司法書士の得意分野や料金等、相談前に得られる情報が少なかったり、その司法書士との相性が悪かった場合でも断りにくいなどのデメリットもあります。

(6)業者の紹介

付き合いのある不動産業者や銀行等の金融機関に司法書士を紹介してもらうという方法です。

不動産業者や銀行等の金融機関は、特定の司法書士と提携していることが多いため、依頼すれば司法書士を紹介してもらえる可能性が高いと思います。

業者からの紹介を受ける場合も、知人の紹介の場合と同様、相談前に得られる情報が少なくなりやすいです。

そのため、料金が相場と比べて高くないか等、ご自身で他の事務所と比較検討されるのがよいと思います。

表 司法書士の探し方(メリット・デメリットの比較)

司法書士の探し方具体的な
方法
メリットデメリットおすすめ度
⑴インターネット検索「伏見区 相続登記 司法書士」など、「地域名+相続登記+司法書士」というキーワードで検索し、司法書士事務所のホームページを探す。専門分野、事務所の立地、料金表、事務所の写真、司法書士のプロフィール等、相談前に多くの情報を確認できる。★★★★★
⑵紹介サイトインターネットで、「地域名+相続登記+司法書士」などと検索し、司法書士のポータルサイトを閲覧して探す自分が住んでいる地域の多数の司法書士事務所の情報が得られる。掲載されている事務所が多数であり、どの事務所に相談するか迷いやすい。★★★
⑶司法書士会への問い合わせ自分が住んでいる地域の司法書士会に電話し、近所の司法書士を紹介してもらえないか問い合わせる。司法書士会は営利目的の団体ではないため、安心できる。個別の司法書士の紹介ではなく、司法書士事務所のリストから自分で選ばなければならないケースも多い。★★★
⑷相続セミナーへの参加地域において開催される「相続セミナー」に参加する。セミナーによっては、司法書士や税理士等、複数の専門家の無料相談を受けることができる。①セミナーは不定期で開催されることが多く、自分が相談したいタイミングで開催されないことがある。
②司法書士に相談できるか、事前に確認が必要である。
★★★
⑸知人の紹介信頼できる家族や友人・知人に司法書士を紹介してもらう。信頼できる家族、友人、知人に、その司法書士の評判を聞くことができる。①専門分野、事務所の立地、料金など、相談前に得られる情報が少なくなりがちである。
②自分とその司法書士の相性が良くなかった場合でも断りづらい。
★★★★
⑹業者の紹介付き合いのある不動産業者や銀行等に司法書士を紹介してもらう。特定の司法書士事務所を紹介されることが多いため、迷いにくい。①専門分野、事務所の立地、料金など、相談前に得られる情報が少なくなりがちである。
②他の事務所と料金や条件を比較しづらい。
★★

5 相続登記を司法書士に依頼するメリット

相続登記を司法書士に依頼するメリットとしては、大きく分けて、以下の3つがあります。

(1)時間短縮のメリット

1つ目のメリットは、相続登記の手続きにかかる時間を大幅に短縮できることです。

相続登記の手続きは、対象となる不動産の登記簿の調査から始まり、戸籍謄本の収集と相続人の調査、遺産分割協議書の作成、名寄帳等による物件調査、登記申請書の作成と法務局への提出など、非常に多くの事務作業が必要となります

相続登記の手続きに詳しくない一般の方が、これらの手続きや書類作成の方法を一から勉強し、ご自身で相続登記の申請を行うのは大変であり、相当な時間を費やすことになります

「餅は餅屋」という言葉がありますように、相続登記を司法書士に任せていただくことで、お客様の大切な時間を大幅に節約することができます

(2)正確な手続きができるメリット

2つ目のメリットは、正しく相続登記ができることです。

相続登記の手続きに詳しくない一般の方が、ご自身で相続登記の必要書類を作成すると、戸籍謄本の読み間違いによる相続人の判断ミスや、遺産分割協議書・登記申請書の記載の間違いが起こることが多いです。

提出した書類に間違いがあれば、法務局に訂正を求められます。わざわざ法務局に行って手書き(もしくは、書類の差し替え等)で訂正することになります。

後から訂正できるような軽微な間違いであればいいのですが、根本的な間違いがあれば、相続登記の申請が却下されてしまうこともあります

さらに、物件調査を行っておらず、対象不動産とするべき前面道路の持分が漏れていた場合や、登記完了時に法務局で発行される登記識別情報通知(不動産の権利証)を受け取らなかった場合など、致命的なミスが起きるおそれもあります。

相続登記の専門家である司法書士に依頼すれば、致命的なミスが発生することはありません。万が一、法務局に書類の訂正を求められた場合でも、司法書士が訂正するので安心です。

(3)ワンストップで依頼できるメリット

相続手続きには、相続登記以外にも様々な手続きがあります。

お客様の状況により「預貯金の相続手続き」「株式・有価証券の相続手続き」「相続税の申告」「他の相続人との遺産分割交渉」など、多くの手続きが必要になることがあります。

司法書士は相続登記だけでなく、「預貯金の相続手続き」や「株式・有価証券の相続手続き」を行うこともできます

さらに、司法書士は「相続税の申告」を代行する税理士や「他の相続人との遺産分割交渉」を代行する弁護士を紹介してくれる場合があります。

このように、相続登記だけでなく、面倒な相続手続きを丸ごと専門家に依頼したいと考えておられるお客様にとっては、司法書士を窓口としてワンストップで専門家に依頼できることが大きなメリットとなります。

6 よくある質問(Q&A)

【選び方・探し方について】

Q1:良い司法書士を見分けるポイントはありますか?

A1:専門分野(相続登記が得意か?)、司法書士の人柄、説明の分かりやすさ、料金(相場より高くないか?)など、司法書士事務所のホームページや実際の面談、見積書等により、各基準ごとに評価していただくのが良いと思います。

Q2:相続登記は、どの司法書士に頼んでも同じですか?

A2:登録免許税等の実費は、どの司法書士に依頼しても同じ金額ですが、同じ案件でも司法書士の報酬は事務所ごとに異なります。

また、同じ料金だったとしてもサービスの内容(お客様との接し方、手続きの進め方、登記完了までにかかる時間など)は事務所ごとに異なります

Q3:相談時にどんなことを確認すればよいですか?

A3:まずは、手続きの流れ、料金(報酬と実費)、スケジュール、必要書類などをご確認ください。

また、併せて司法書士の専門分野や実績、人柄についても確認されると良いと思います。

Q4:どの司法書士に依頼するか迷った場合はどうすればよいですか?

A4:まずは複数の事務所に相談し、説明や対応を比較されるのが良いと思います。

【費用・料金について】

Q5:とにかく料金が安い司法書士を選べば大丈夫でしょうか?

A5:料金の安さだけで決めるのではなく、説明の分かりやすさや誠実さ、丁寧に対応してくれそうか等、総合的に評価して選ばれることをお勧めします

Q6:追加料金が発生することはありますか?

A6:見積書を作成した後に、当初の想定よりも相続人が多いことや戸籍調査が複雑であることが発覚した場合等には、稀に追加料金が発生することもございます

【専門性・実績について】

Q7:相続専門の司法書士を選ぶべきですか?

A7:相続登記相続に関連する手続きを得意分野としている司法書士に依頼することが望ましいです。

Q8:相続登記の実績はどのように確認すればよいですか?

A8:司法書士事務所のホームページにおける実績紹介や、相談時に実績についての質問をする等して確認されるのが良いと思います。

7 本記事のまとめ

本記事のまとめ

・司法書士は、不動産や会社の登記手続きをはじめ、相続手続き、供託、訴訟等の法律事務を行う「まちの法律家」である。

・相続登記とは、「相続による不動産の名義変更」のことであり、司法書士の中心業務の一つである。

・司法書士に対して、「戸籍による相続人の調査」、「遺産分割協議書の作成」、「相続登記の申請」、「相続放棄」、「預貯金や株式等の相続手続き」などの相続手続きを依頼することができる。

・一方、「相続税の申告」や「遺産分割の交渉」は、税理士や弁護士の独占業務であり、司法書士に依頼することはできない。

・司法書士に相続登記の相談をする前に、(1)亡くなった親族の出生・死亡等に関する情報、(2)対象となる不動産、(3)遺言書の有無、(4)誰の名義にするか等を確認しておくと、相談がスムーズに進みやすい。

・相続登記を司法書士に依頼するメリットとしては、(1)時間短縮のメリット、(2)正確な手続きができるメリット、(3)ワンストップで依頼できるメリットなどがある。

司法書士の選び方(まとめ)

基準の種類司法書士を
選ぶ基準
確認事項見分ける方法重要度
重要な基準⑴専門分野「相続登記」や「相続に関連する手続き」を得意とする司法書士か?①司法書士事務所のホームページをチェックし、相続登記を取り扱っていることや、どの業務を専門分野としているかを確認する。
②面談時に相続登記の受任実績(年間件数等)について質問してみる
★★★★
⑵事務所の立地自宅から事務所を訪問する際に便利な場所にあるか?①司法書士事務所のホームページに掲載されている事務所所在地や地図を確認する。
②司法書士会のホームページ上に掲載されている司法書士事務所のリストで事務所所在地を確認する。
★★★★
⑶司法書士の人柄①相談者の話をしっかりと聴いて、適切にアドバイスしてくれるか?
②相談者と性格的な相性がいいか?(例:せっかち、のんびり等)
①面談の予約を取る際の電話応対が心地よいと感じられるかで見分ける。
②実際に面談してみて、司法書士の態度、表情や会話の内容から、信頼できるか判断する。
★★★★★
⑷説明の分かりやすさ料金、手続きの流れ、スケジュール、法律上の問題点等について、相談者にとって分かりやすい説明がされているか?実際に面談してみて、料金、手続きの流れ、スケジュール、問題点等の説明を理解できたと感じられるかで判断する。★★★★★
⑸料金相場と比べて、高額な料金設定になっていないか?①インターネット検索等により、相続登記の料金の相場を調べる。
②契約前に見積書を作成してもらい、料金の相場と比較検討する。
★★★★
その他の利便性に関する基準⑴ワンストップ性「相続税の申告」や「遺産分割の交渉」等を依頼できる税理士・弁護士の紹介を受けられるか?「相続税の申告」や「遺産分割の交渉」が必要なお客様は、税理士や弁護士を紹介してもらえるか、司法書士に確認して判断する。★★★
⑵オンラインの対応性ZOOM面談、メールでの資料送付、LINEによる事務連絡等に対応しているか?面談時に司法書士に確認する。★★★
⑶土日祝日の対応の可否相談や書類の受け渡し等を土日祝日にすることができるか?①事務所のホームページの営業日等を確認する。
②面談の予約を取る際の電話で、土日祝日の対応が可能か確認する。
③面談時に司法書士に確認する。
★★

司法書士の探し方(まとめ)

司法書士の探し方具体的な
方法
メリットデメリットおすすめ度
⑴インターネット検索「伏見区 相続登記 司法書士」など、「地域名+相続登記+司法書士」というキーワードで検索し、司法書士事務所のホームページを探す。専門分野、事務所の立地、料金表、事務所の写真、司法書士のプロフィール等、相談前に多くの情報を確認できる。★★★★★
⑵紹介サイトインターネットで、「地域名+相続登記+司法書士」などと検索し、司法書士のポータルサイトを閲覧して探す自分が住んでいる地域の多数の司法書士事務所の情報が得られる。掲載されている事務所が多数であり、どの事務所に相談するか迷いやすい。★★★
⑶司法書士会への問い合わせ自分が住んでいる地域の司法書士会に電話し、近所の司法書士を紹介してもらえないか問い合わせる。司法書士会は営利目的の団体ではないため、安心できる。個別の司法書士の紹介ではなく、司法書士事務所のリストから自分で選ばなければならないケースも多い。★★★
⑷相続セミナーへの参加地域において開催される「相続セミナー」に参加する。セミナーによっては、司法書士や税理士等、複数の専門家の無料相談を受けることができる。①セミナーは不定期で開催されることが多く、自分が相談したいタイミングで開催されないことがある。
②司法書士に相談できるか、事前に確認が必要である。
★★★
⑸知人の紹介信頼できる家族や友人・知人に司法書士を紹介してもらう。信頼できる家族、友人、知人に、その司法書士の評判を聞くことができる。①専門分野、事務所の立地、料金など、相談前に得られる情報が少なくなりがちである。
②自分とその司法書士の相性が良くなかった場合でも断りづらい。
★★★★
⑹業者の紹介付き合いのある不動産業者や銀行等に司法書士を紹介してもらう。特定の司法書士事務所を紹介されることが多いため、迷いにくい。①専門分野、事務所の立地、料金など、相談前に得られる情報が少なくなりがちである。
②他の事務所と料金や条件を比較しづらい。
★★

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